聞こえるノイズと聞こえないノイズ
2025-03-29



昨年11月10日のブログでも書いていますが、SU-1のチューニング記事の中で私は、プラス側のノイズとマイナス側のノイズという情報を発信しています。
電子回路が出すジリジリ、ジーとか電源周波数に同期したブーンという音が伴うノイズはとてもわかりやすいノイズで、これらはプラス側のノイズです。これに対して、整流に伴う電流欠損やDACの周波数シェイピング、それとデジタルアンプの変調信号やスピーカーの逆電力によるノイズや電源に外部から侵入するノイズなどは、実態として「音として聞こえない」ものなのですが、私はこれらをマイナス側のノイズという呼び方をしています。

日本のオーディオ評価は周波数特性とかS/N比とかダンピングファクタなどというすべて測定可能なわかりやすい情報でばかり機器を評価しており、これらはつまりプラス側の情報でばかり評価していました。
ところが実際には整流回路では電流欠損が生じていて、DACの周波数シェイピングでは高周波のノイズが重畳して音を濁し、スピーカーの逆電圧によって電源まで振られて音が歪められていることをずっと見逃してきました。
2000年ごろに第二世代電源が世に出て、それが音を劇的に改善して滑らかで癒される音が再生されることを知った現在でも、メーカーのエンジニアたちはシンクロに捕捉できないブリッジ整流回路の欠点を認めようとはしません。
マイナス側のノイズをこそ、対策してやらねばならない点なのに結局は聞こえないノイズについては対策の検討すらさせることなく100年過ごしてきてしまっているというのが現状です。

マイナス側のノイズを対策していない製品は小さい音量では音が聞こえず使い物もになりません。そのため大抵のアンプには「ラウドネス」などというふざけたブーストスイッチが付いてました。音量をあげると多少は聞こえますが、さらにあげると今度は音がやかましくて聴いてられなくなります。低音がぼやけてブーミーになります。そういう疲れる鳴り方をしています。奥行きも定位もきまりませんし、音が実に薄っぺらなのです。これらは、きちんと演奏者の物理位置を奥行き深く再現するための情報(空間を伝わる音の音紋)が消されたり濁されたりして正しく再生されていないのです。

マイナス側のノイズを徹底的に対策した製品ではこの音紋が再生されますので、音量にかかわらず臨場感に包まれます。

当店がチューンしたマイクロDACは、60万円の国産DACを凌駕する音を出せているですから、いかにマイナス側のノイズ対策が大切かを知るべきです。

>これまでのDACとはなんだったんだろう。

> 今回購入したもので、これだけ改善できる。感動です。 
> また、再生音を大きくしても疲れません。
> 音質がとんでもなくアップしています。

これらは昨年末に当店のss120をお買い求めになり、先月にはTuned SU-1とUSB-PD FixCurrent+CPM  をお買い上げくださいましたお客様から届いた最近のとても長いご報告の中の一文です。新しい音の世界に驚かれています。

マイナス側のノイズを対策したアンプは、小さな音量でも全部の音が聞こえますので深夜でも完全に包まれます。中程度の音で鳴らすとステージが目の前に広がり一つ一つの楽器やヴォーカルが浮かび上がります。ソロヴォーカリストの口の動きが見えます。口を開ける際の舌が歯の裏の唾液を叩く音なども全部聞き取れます。大きな音を出しても音は一切崩れません。滑らかな音に包まれ楽器の細部まで見渡せます。

ss120とss600Dという二つのアンプもマイナス側のノイズを徹底的に対策した製品です。滑らかな音の、真に癒される音が出せるアンプです。このようなアンプは当店にしかありません。世界で当店だけです。

昨年末に上記二つのアンプの販売を開始しましたが、今年になったら世の中は値上げのラッシュです。主要部品やケースなど全てが値上がりしています。 

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